建築設備士

建築設備士ってどんな資格?合格率と難易度を詳しく解説!

2022年8月11日

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「建築設備士って聞いたことはあるけどどんな資格なの?」

「どんな試験があって、どのくらい難しい資格なのか知りたい!」

建築設備士に興味を持っている皆さん、上記のような疑問を持っていませんか?

筆者も最初は建築設備士がどんな資格かわからず、たくさん調べていました。


今回の記事では、建築設備士がどんな資格かについてご紹介します。

建築設備士に興味を持ってくれたら嬉しいです!

本記事の内容

  • 建築設備士とは
  • 建築設備士の難易度
  • 建築設備士の合格率

この記事の執筆者

  • 令和3年度 建築設備士一発合格者
  • 新築マンションやオフィス改修などの施工管理を経験
  • 建築設備士として設備設計事務所にて電気設備設計を経験
  • 現在はファシリティマネジメントとして、建築・電気・設備を管理

建築設備士とは

建築設備士とは

建築設備士は、日本における建築士法に基づく国家資格で、「名称独占資格」に分類されます。

名称独占資格とは、資格を持たない人がその名称を名乗ることを禁止される資格のことを指します。

資格を有する者のみが「建築設備士」としての称号を使用でき、これにより信頼性と専門性が担保されています。

この資格を持つことで、建築士や他の設計者が行う建築設備の設計・工事監理に対して専門的なアドバイスや助言が可能となり、

近年高度化・複雑化している建築設備分野(空調・換気、給排水衛生、電気設備など)で、その重要性はますます増しています。

資格を持っていない場合でも設備設計や工事管理の業務に従事することは可能ですが、「建築設備士」としての業務を明示的に行うことはできません。

建築設備士試験について

建築設備士試験について

建築設備士の受験資格は、以下の通りです。

受験資格

  1. 学歴を有する者[大学、短期大学、高等学校、専修学校等の正規の建築、機械又は電気に関する課程を修めて卒業した者]
  2. 一級建築士等の資格取得者
  3. 建築設備に関する実務経験を有する者

※上記の(1)~(3)それぞれに応じて建築設備に関する実務経験年数が必要です。

受験資格について詳しく知りたい方は、興味があれば以下の記事を参照してみてください。

一次試験(学科試験

学科試験には、以下の3科目が出題されます。

試験科目

  • 建築一般知識
  • 建築法規
  • 建築設備

・4択のマークシート方式

・総得点の合格基準は105点中70点前後(毎年試験問題の難易度により変わる)であり、各科目に以下の点数で足切り点が設定されています。

建築一般知識建築法規建築設備
13点/27点満点中9点/18点満点中30点/60点満点中

一次試験のテキストや独学での勉強方法については、以下の記事でも紹介しておりますので、是非参考にしてみてください。

二次試験(設計製図)

・毎年5月頃に課題が発表され、その課題となる建築物の計画条件や建築基本設計図をもとに、以下の問題が出題されます。

試験科目

  • 建築設備に係る基本計画を作成する問題(文章記述
  • 空調・換気設備、給排水衛生設備又は電気設備から問題を選択して設計図面を作成する問題(5問中3問は共通問題)

・二次試験の過去課題

実施年二次試験の課題
平成29年湖畔に建つホテル
平成30年小都市に建つ市庁舎
令和元年スポーツクラブのある複合商業施設
令和2年シェアオフィスのある事務所ビル
令和3年市街地に建つホテル
令和4年市民センター(ZEBを目指した建築物)
令和5年市街地に建つ図書館
令和6年温浴施設のある複合商業施設

二次試験を突破するためには、なるべく減点にならないように問題を解き、上位40~50%の中に入る必要があります。

具体的な採点方法や解答例が公表されていないため、講習会を受講せずに合格することは難しいです。

二次試験の勉強方法については、以下の記事でも紹介していますので、是非参考にしてみてください。

建築設備士試験の難易度について

建築設備士試験の難易度について

資格の偏差値をまとめたサイト「資格の取り方」によると、建築設備士の偏差値は58で、他の同業種資格と比較してみると以下のようになります。

資格名称偏差値難易度
一級建築士66難関
技術士補60普通
建築設備士58普通
電気主任技術者 第3種58普通
二級建築士56普通
※資格の難易度は個人の感じ方により異なります。

上記によると、難関といわれる一級建築士よりは易しいですが、電気主任技術者 第3種と同程度で二級建築士より若干難しいという位置づけです。

建築設備士の合格率について

建築設備士の合格率について

一次試験の合格率について

令和2年令和3年令和4年令和5年令和6年
25.7%32.8%31.4%30.0%33.3%

一次試験の合格率は例年25~33%程度で推移しています。

令和3年以降は30%以上をキープしていて、以前よりは合格率が上昇しています。

二次試験の合格率について

令和2年令和3年令和4年令和5年令和6年
41.4%52.3%46.4%48.7%53.4%

二次試験の合格率は例年50%前後で推移しています。

令和2年は例年と比較して合格率がかなり低くなっていますが、試験方式が変更になった年であり、新問題に戸惑って合格点に届いた受験者が少なかったことが原因と思われます。

総合的な合格率について

令和2年令和3年令和4年令和5年令和6年
13.5%18.8%16.2%19.1%21.5%

総合的な合格率は例年16~19%程度で推移しています。

令和2年は例年と比較して合格率がかなり低くなっていますが、先述の通り、試験方式が変更になった年であり、新問題に戸惑って合格点に届いた受験者が少なかったことが原因と思われます。

まとめ

今回は建築設備士はどんな資格で、どのくらい難しい資格なのかをご紹介しました。

最後に、この記事の内容をまとめたいと思います。

  • 建築設備士は建築設備全般の知識や技能を習得し、建築士にアドバイスができる資格者
  • 建築設備士の資格は国家資格であり、合格しないと「建築設備士」と名乗ることはできない
  • 一級建築士よりは易しいが、電気主任技術者 第3種と同程度で二級建築士より若干難しい
  • 建築設備士になるには、一次試験(学科)と二次試験(設計製図)に合格する必要がある
  • 一次試験→二次試験の総合的な合格率は16%~19%程度であり、合格が難しい資格である

建築設備士は、建築設備全般の知識を習得していることを証明する資格で、取得することで更なるスキルアップに繋がります。

実際に、僕の会社には建築設備士を取得している者がいなかったため、合格してからは一目置かれることとなり、自信にも繋がりました。

建築設備士はおすすめの資格なので、興味を持った方はぜひ合格を目指してください。

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