消防設備士

【消防設備士 甲種4類】とはどんな資格?試験概要と難易度を徹底解説!

消防設備士 甲種4類って聞いたことはあるけどどんな資格なの?

どんな試験があって、どのくらい難しい資格なのか知りたい!

こんな悩みにお答えします。

本記事の内容

  • 消防設備士 甲種4類とは
  • 消防設備士 甲種4類の難易度
  • 消防設備士 甲種4類の合格率

この記事の執筆者

  • 令和2年度 消防設備士 甲種4類 一発合格者
  • 新築マンションやオフィス改修などの施工管理を経験
  • 建築設備士として設備設計事務所にて電気設備設計を経験
  • 現在はファシリティマネジメントとして、建築・電気・設備を管理

消防設備士 甲種4類とは

消防設備士甲種4類は、自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備、火災通報装置など、火災の早期発見と消防機関への通報に関する電気系統の消防設備の設置、保守、点検を行うことができる国家資格です。乙種4類と比べると、設備の工事も可能となります。

対象となる設備

消防設備士 甲種4類が取り扱う設備には、以下のようなものがあります。

対象設備

  • 自動火災報知設備
  • ガス漏れ火災警報設備
  • 火災通報装置
  • 非常警報設備

これらの設備は、火災の早期発見と迅速な通報を可能にするため、建物の防災対策において非常に重要な役割を果たしています。火災の初期段階で適切な対応がとれれば、延焼を防ぎ、被害を最小限に抑えることができます。

消防設備士 甲種4類の試験について

消防設備士甲種4類の資格を取得するためには、国家試験に合格する必要があります。この試験は筆記試験と実技試験の2部構成となっています。

筆記試験は、次の3科目から構成されています。

科目内容問題数・試験時間
消防関係法令消防法や建築基準法などの関係法令全45問・2時間15分
基礎的知識電気・機械・化学に関する基礎知識
設備の構造・機能・工事・整備消防設備の構造、機能、工事、整備に関する知識

筆記試験は、4択のマークシート方式で法令の理解や基礎的な知識、さまざまな設備に関する専門知識が問われます。暗記問題が多いため、語呂合わせなどを活用して効率的に学習する必要があります。

実技試験は、鑑別と製図の2種類の問題から構成されています。

  • 鑑別問題:機器の名称や使い方、設置基準などを問う問題
  • 製図問題:設備の配線図や系統図を描く問題

実技試験では、設備の構造や機能に関する深い理解が必要とされます。特に製図問題は、筆記試験での知識を活用する必要があるため、筆記試験の理解が進んでから取り組むことが重要です。

筆記試験の合格基準は45点中27点(60%以上)であり、各科目に以下の点数で足切り点(40%以上)が設定されています。

消防関係法令基礎的知識設備の構造・機能・工事・整備
6点/15点満点中4点/10点満点中8点/20点満点中

実技試験の合格基準は7点中5点(60%以上)です。

試験の一部免除がある場合は、免除を受けた以外の問題で上記の成績を修める必要があります。

資格の偏差値をまとめたサイト「資格の取り方」によると、消防設備士 甲種4類の偏差値は50となり、他の同業種資格と比較すると以下のようになります。

※資格の難易度は試験科目の得意・不得意や人の感じ方により異なります。

上記によると、第一種電気工事士よりはやや易しいという位置づけです。

合格のためのポイント

消防設備士 甲種4類の試験は、対象となる設備の種類が多く、専門用語も多いため、しっかりとした計画的な学習が必要です。合格に向けて以下のようなポイントに注意しましょう。

まずは受験資格を確認することが重要です。消防設備士甲種4類の受験資格には以下のようなものがあります。

受験資格

  • 大学や高専の機械、電気、工業化学、土木、建築などの学科卒業
  • 理学、工学、農学、薬学の修士号以上の学位
  • 電気工事士や消防設備士乙種4類などの資格保持者

受験資格を満たしていれば、願書の提出や受験手続きを進めることができます。

試験範囲が広範囲に及ぶため、計画的な学習が必要不可欠です。学習に充てられる時間を見積もり、優先順位を付けて効率的に進めましょう。

消防設備士 甲種4類の試験対策には、問題集の活用が不可欠です。過去問題を繰り返し解くことで、出題傾向を掴み、弱点を発見し、解答のコツを身につけることができます。問題集の選び方が大切で、以下の点に注目しましょう。

  • 最新の出題傾向に沿った問題が収録されている
  • 解説が丁寧で分かりやすい
  • 専門用語の解説や豆知識が掲載されている

私は、以下の2冊を購入し、実際に試験を一発で合格することができました。

問題集は解説もわかりやすく、覚えやすい語呂合わせなども活用しながら、合格レベルまで知識を身につけることができます。

製図編は、問題集だけでは不安だったので購入しましたが、様々な問題が掲載されているので、繰り返し解くことで製図の練習になりました。

消防設備士 甲種4類の合格率について

令和2年令和3年令和4年令和5年令和6年
37.2%37.1%34.4%33.6%33.5%

近年の合格率は例年33~37%程度で推移しています。

令和4年から合格率が低くなっているので、問題がやや難化しているのかもしれません。

まとめ

今回は消防設備士 甲種4類はどんな資格で、どのくらい難しい資格なのかをお答えしました。

最後に、この記事の内容をまとめたいと思います。

  • 消防設備士 甲種4類は電気系統の消防設備の設置、保守、点検を行うことができる国家資格
  • 対象設備は、火災の早期発見と迅速な通報を可能にするため、建物の防災対策において非常に重要
  • 第一種電気工事士と比較すると、やや易しい
  • 合格するには、筆記試験と実技試験で基準点(60%)以上の点数をとる必要がある(足切り40%)
  • 近年の合格率は33%~37%程度であり、合格率が下がってきている

消防設備士 甲種4類は、火災の早期発見と通報に関する設備の設置・点検を行う重要な資格です。試験は筆記と実技の2部構成で、法令の理解、基礎知識、設備に関する専門知識、製図力などが問われます。合格に向けては、計画的な学習と問題集の活用が欠かせません。この資格を取得することで、消防設備の適切な管理と運用が可能となり、火災発生時の被害を最小限に抑えることができます。

施工管理や設計業務をする際にも、この資格を持っていることで広い視野で検討や計画することができるので一目おかれることは間違いありません。

また、この資格を取得するために学んだことは、建築設備士や建築士の試験にも活かすことができるため、さらにステップアップを目指すことができますので、ぜひ頑張って取得を目指してください。

さらにステップアップし、建築設備士を目指したい方は、以下の記事も参考にしていただけると幸いです。

-消防設備士