電気施工管理技士

1級電気工事施工管理技士とは?難易度と合格率についても解説します

2024年10月27日

1級電気工事施工管理技士を受検したいけど、どんな資格なのかな?

試験はどのくらい難しいのかな?

こんな悩みにお答えします。

本記事では、建築設備士の概要や難易度について解説していきます。

本記事の内容

  • 1級電気工事施工管理技士とは?
  • 取得するメリット
  • 試験の難易度や合格率

この記事の執筆者

  • 令和2年度 1級電気工事施工管理技士合格者
  • 新築マンションやオフィス改修などの施工管理を経験
  • 建築設備士として設備設計事務所にて電気設備設計を経験
  • 現在はファシリティマネジメントとして、建築・電気・設備を管理

1級電気工事施工管理技士とは?

「1級電気工事施工管理技士」は、建築物や工場などの電気設備工事における施工管理業務のスペシャリストとして、高い専門知識と実務経験を有することを証明する国家資格です。

近年、社会インフラの老朽化や再生可能エネルギーの導入など、電気設備の重要性が増す中、電気工事の施工管理を担う人材の需要は高まっています。

1級電気工事施工管理技士を取得することで、以下の様なメリットがあります。

対象設備

  • 高い専門性と信頼性を示せる:国家資格であることから、高い専門性と信頼性を周囲にアピールすることができます。
  • キャリアアップのチャンスが広がる:電気工事の現場において、より責任あるポジションや管理職への道が開かれます。
  • 給与アップや昇進に繋がる:資格取得により、給与アップや昇進の期待ができます。
  • 転職の際の優位性:転職活動において、資格を保有していることは大きな強みとなります。
  • 独立開業の可能性:電気工事の会社を設立する際に、資格は必須となる場合もあります。

電気工事施工管理技士の資格は、難易度別に「1級」と「2級」の2種類に分けられます。

資格の偏差値をまとめたサイト「資格の取り方」によると、「1級」と「2級」の電気工事施工管理技士の偏差値を比較すると以下のようになります。

資格偏差値難易度主な業務内容
1級電気工事施工管理技士54普通大規模な電気工事の施工管理、計画、品質管理、安全管理など
2級電気工事施工管理技士46簡単中小規模の電気工事の施工管理、計画、品質管理、安全管理など
※難易度の感じ方は、得意・不得意によっても変わります。

この記事では、特に1級電気工事施工管理技士の難易度、合格率などについて詳しく解説していきます。

1級電気工事施工管理技士の試験概要

1級電気工事施工管理技士の試験は、学科試験と実技試験の2つから構成されています。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

第一次検定では、電気工事に関連する幅広い分野の基礎知識が問われます。具体的には、以下の様な内容が出題されます。

第一次検定

  • 電気工学 :電気理論、電気機器、電力系統、電気応用
  • 気設備 :発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備、電車線、その他の設備
  • 関連分野 :機械設備関係、土木関係、建築関係
  • 施工管理法:設計・契約関係、応用能力、施工計画、工程管理、品質管理、安全管理、工事施工
  • 法規   :建設業法、電気事業法等、建築基準法等、消防法、労働安全衛生法、労働基準法、その他関連法規

これらの分野について、基礎的な知識だけでなく、応用問題や計算問題が出題されるため、単に知識を暗記するだけでは合格できません。

幅広い分野の知識を理解し、それらを組み合わせた問題を解くことができる能力が求められます。

第二次試験では、電気工事の施工管理に関する知識と実践力が問われます。具体的には、以下の様な内容が出題されます。

第二次検定

  • 施工経験記述:指定のテーマについて、現場で実施した内容や経験上の考えを記述する形式
  • 施工管理  :施工管理に関する用語について、説明や留意事項を簡潔に記述する問題
  • 工程管理  :問題の条件でネットワーク工程表を作成して、所要工期、クリティカルパス、各フロートなどを計算する問題
  • 電気設備  :各種電気設備に関する技術的内容について簡潔に記述する問題
  • 法規    :建設業法などの各法規に関する問題

実務経験に基づいた問題が出題されるため、単に教科書的な知識を覚えているだけでは対応できません。

実際の工事現場で培った経験や、施工管理の知識を総合的に活用して問題を解決する能力が求められます。

1級電気工事施工管理技士の受験者は、電気工事の現場で従事している方、電気設備の設計や施工管理に携わる方、また、電気設備に関わる仕事に就きたいと考えている方が中心です。

受験者の多くは、電気工事士、2級電気工事施工管理技士などの関連資格を保有しており、電気工事に関する一定の実務経験を積んでいる方が多い傾向にあります。

近年では、電気設備の設計や保守管理を行うファシリティマネジメントの分野からも、資格取得を目指す方が増えています。

1級電気工事施工管理技士の合格率は、以下の通り、第一次検定で平均42.2%、第二次検定で平均61.9%となっています。

試験令和1年令和2年令和3年令和4年令和4年平均
第一次検定40.7%38.1%53.3%38.3%40.6%42.2%
第二次検定66.3%72.7%58.8%59.0%61.9%61.9%
参考:1級電気工事施工管理技士 5年間の合格率推移(工事士.com)

他の電気系資格と比較すると、以下のようになります。

資格令和1年令和2年令和3年令和4年令和4年
1級電気工事施工管理技士26.9%27.7%31.3%22.6%21.5%
2級電気工事施工管理技士25.5%26.3%28.8%26.0%18.8%
第一種電気工事士35.0%33.3%35.9%36.5%37.3%
第二種電気工事士42.2%40.4%43.0%45.0%43.0%
電験三種9.3%9.8%11.5%12.0%18.9%
参考:電気工事施工管理技士と他の電気系資格の難易度比較(工事士.com)

上記によると、1級電気工事施工管理技士は、第一種電気工事士と電験三種の中間辺りの難易度という位置づけです。

まとめ

「1級電気工事施工管理技士」は、建築物や工場などの電気設備工事における施工管理業務のスペシャリストとして、高い専門知識と実務経験を有することを証明する国家資格です。

合格率は20~30%(第一次検定と第二次検定を合わせた場合)であり、合格するためには、計画的な学習と努力が欠かせません。

この記事では、1級電気工事施工管理技士の概要、難易度、合格率について解説してきました。

合格への道筋は決して平坦ではありませんが、適切な学習方法を選択し、計画的に学習を進めることで、必ず合格を掴むことができます。

電気工事の現場でキャリアアップを目指したい方、施工管理のスペシャリストを目指したい方は、ぜひ1級電気工事施工管理技士に挑戦してみてください。

-電気施工管理技士